GARLOCHI ファナ・アマジャ エル・トロンボ

LIVE

2023年4月21日(金)~2023年5月8日(月)

フラメンコ界最高峰ファナ・アマジャとエル・トロンボ来日。ありそうでない組み合わせでした。

少し早めにお店に向かうエレベーターに外国の方が乗り込んできて、もしかしてバックメンバーかな?と思ったらギターのダビでした。。。最近ツイている私。

【出演者】

  • バイレ:Juana Amaya(ファナ・アマジャ)
  • バイレ:El Torombo(エル・トロンボ)
  • カンテ:David El Galli(ダビ・エル・ガジ)
  • カンテ:Ivan Carpio(イバン・カルピオ)
  • ギター:David Caro(ダビ・カロ)

プログラムはAでした。

⭐︎1部

  • プレゼンテーション 「ハレオス」
  • ソレア・ポル・ブレリア /エル・トロンボ
  • ソロ・デ・ムシコス
  • シギリージャ/フアナ・アマジャ
  • フィン・デ・フィエスタ

⭐︎2部

  • カンテソロ
  • カンティーニャ/エル・トロンボ
  • ソレア/ファナ・アマジャ
  • フィン・デ・フィエスタ

1部のプレゼンテーションはハレオス。椅子に座ったままでの足打ちリズム出し。座っていても安定のコンパスさすがです。カッコイイ!トロンボが歌い出しファナにも歌えと迫るが、歌わないのでずっとトロンボが歌う(笑)

トロンボのソレア・ポル・ブレリアは少し短めでしたが落ちているホコリを足で遊びながらのエスコビージャ、ユーモアたっぷり。最後はホコリをつまんで「ポイ!」

ダビのギターは淡々と弾いていますがかなりの実力派です。控えめな若者といった印象を受けました。

ファナのシギリージャはいきなり機関銃のように足を打ち始めて最後までずっと激しく打ちまくるような、今まで見たことない激しいけれどせつないシギリージャ。バイラオールとしてはわりと高齢ですが、「明日のことは考えない。今日、もう死んでもいい」くらい踊りまくるファナを見ていたら苦しくてせつなくて気づいたら涙があふれていました。まさに魂を削って踊るとはこういうものなのか。なんだかわからないけど心をわしづかみされてガンガン揺さぶられるようなものすごい衝撃。なぜあれほど激しいバイレを続けているのに故障もしないのか。体の使い方を知りたい。

2部のカンテソロの後、現れたぽっちゃりおなかのトロンボは赤いスーツを着てまるでサンタさんみたい。エスコビージャの時に落ちた水玉のハンカチを拾って手品師のように胸ポケットに入れて楽しげにカンティーニャを踊ってくれました。

その後のファナのソレアはやっぱり最初から激しい足打ち。今まで見たソレアは歌ぶりでじっくり魅せるものが多かったので、新鮮で見ごたえありです。ファナのバイレは激し過ぎて踊ったあとは髪は乱れ毎回結び直しています。だからでしょうか?多くの踊り子が着けるような花やペイネタというかんざしはいっさい着けていません。おそらく着けたとしても全部回転の遠心力で飛んでしまうでしょう。衣装も裾広がりのドレスというよりシンプルな裾がわれたストレートワンピースにスパッツという出立ちです。見た目をかざらなくても踊りで十分見せられる自信を感じます。

2部のソレアでギターの弦が切れてしまうほどファナのバイレは激しかったです。

2部のフィンデフィエスタではカンテのダビ・エル・ガジがふざけて出演者をでたらめな名前で紹介していました。バイレ後に水を飲んでいたファナが突然笑い出して飲んでいた水を霧のように吹くというコントのような場面もあり、なんだか得した気分。

当日は昼公演と夜公演があり、私は昼公演を見に行きました。あの激しい踊りをもう1公演やるのかと思うとファナの体力には感服します。

日本はスペインに次いでフラメンコ愛好者が多い国です。日本人が共通してフラメンコに魅了されるものが何かあるとしたらこのライブで見たような、魂にガンガン訴えかける目に見えないものなんだろうな。

もっと多くの人に生で本物を見てもらいたいと思ってやみません。

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