発表会やリハーサルでの反省

意識

発表会を終えて、リハーサルで感じた疑問や観客の反応などを書き留めてみます。

長い事フラメンコをやっていて今更な疑問、「なぜエスコビージャで走るのか?だんだん早くなるのはなぜなのか?」「ここからファルセータや歌が欲しいのに思うように来ないのはなぜなのか」「ギターやカンテさんに伝わらないのはなぜなのか?」リハーサルの都度感じた疑問をいろんな人に聞いてみました。

なぜ歌やギターの演奏がだんだん早くなるのか

歌い手やギターが勝手に早くしているわけではなく、スピードを早くする合図を踊り手が出している。ということに最近気づきました。

エスコビージャに入る時に合図をする踊り手の最初の足打ちのリズムがその後のエスコビージャの速度を決めますが、打ち出し合図がなく、全員で入る場合は最初の2つの音の間隔で演奏されるので特に入りの2音の間隔は慎重に打たないといけないということです。

エスコビージャの途中から加速する場合は、誰かのかかとのコントロールができていなくて早くタコンが落ちてしまうとだんだん早くなります。タコンのコントロールは必須です。

あとは音のない部分のコンパスの間隔が甘い、半拍待つ場合の「イ」が感じられていない時はその間がだんだん詰まっていき早くなります。無音の半拍が「待てない」と言えば良いのでしょうか?

群舞の場合は全体のバランスを見てギターが走った方に合わせるか、元のコンパスで引っ張るか考えながら弾いているそうですがリズムが大きくズレる前に走った方に合わせがちなので全員がリズムを気をつけないと転がるように早くなるということです。

メトロノームに合わせて一定のリズムで振り付けを踊ることもたまには必要です。結構難しい。

バックアーティストに伝わらないのはなぜか?

リハーサルでギタリストに「踊りを見てても演奏を止める場所がわからない」とよく言われます。先生がギタリストの前で踊ってくれる時は「わかった」というのですが、私たちが踊るとやっぱり「わからない」らしく演奏が切れない。。。発表会後、先生に「先生がやるとわかってもらえるのに私たちがやるとバックメンバーに伝わらないのはなぜなのか」と聞いたところ、「呼吸がないから」と教えてくれました。

「呼吸がない」の意味をさらに聞くと、「踊っている人の体を見てもコンパスがバックメンバーに伝わらない」という意味でした。バックメンバーが踊り子の後ろ姿でアクセントだったり、抜けがわかるように肩だったりマノだったり、体全体で表現しないといけない。という事です。踊っている人たちの頭の中のカウントまでは演奏者にはわからないので体をもってリズムを伝えないといけないという事なのでしょうか。大きく息を吸うと肩が上がったりします。足を打つ前や始まりの前はたいてい息を吸います。それがバックメンバーに対して「いくよ」という合図になったりします。バックメンバーを見つめたり、振り返って合図したり色々な伝え方があります。練習生は教えられた振り付けを踊るのに必死で伝えることまでは余裕がありません。ですが上達するには表現という壁を越えないといけないのでしょうね。

発表会で一番印象に残る踊りとは

発表会を見てどの曲が一番良かったか考えると、入門クラスの方が踊った曲が「とてもキラキラしていて良かった」と結構な確率で思います。もちろん上級クラスの方達は難しい振り付けを覚えてたくさん練習してすごいなあって思うんですが、印象に残るのは振り付けは簡単だけど明るい曲で「フラメンコが楽しい!」と心から思って踊っている入門の方達なんです。表情が晴れ晴れとしていて、感情がダイレクトに伝わってくるので上級者を食ってしまう時もあります。空気がキラキラしていて鳥肌が立ってしまうこともあります。そんな時は「私も頑張ろう」と次のレッスンへのモチベーションにつながります。

見る人の心を掴む踊りってなんだろう?と常に考えながら踊っています。表現が大事だと思って大げさにやってみた時の自分を見て恥ずかしくなってしまったり、でも無表情で踊ると何も伝わらなかったり。上半身がバタバタ、ガクガク動いているとそちらに目がいってしまい踊りとして見られなかったり。それをクリアした上で1曲の中にストーリーがあって、そのストリーを気持ちを込めて視線や指先を使って伝える。見てる人が自分が送った視線の先を見てくれたら思いは伝わったのかな?とか感じます。踊りながら観客の目線なんて見ることはできませんが。

ファナアマジャの踊りをみたらなんだかわからないけど涙が溢れて、ただただ感動した記憶があります。熱い思いや、一生懸命さや「踊っている人の目に見えない想い」が「見る人の心にダイレクトに伝わった時」に化学反応が起こって魂に共鳴するのでしょうか?

フラメンコは自己満足の世界ではなくて、踊り子やギターやカンテさんがエネルギーをぶつけ合い、融合して会場の臨場感を作り上げていく?ものなのでしょうか。ライブを見に行った時のパーカッションとギター同士の楽しそうな音の掛け合いだったり、アイコンタクトだったり。YouTubeでは感じられない、そこに居た人にしか感じられない感覚。フラメンコを初めて見た時の胸が熱くなる感覚はたくさんの人に感じて欲しいと思います。

まとめ

今回はまだまだ発展途上の私がリハーサルの時に感じてきた疑問を書いてみました。フラメンコ上級者の方から見たら当たり前のことなのかもしれませんが、今まで習ってきても理解していなかった私がこうなのかな?ってことを考えてみました。これからもっと高度な疑問が出てくるかもしれないですが、それはその時に書いていこうと思います。

リズムがだんだん早くなるのを防ぐには

  • エスコビージャの足の打ち出し、最初の1節が後のリズムを決めるので特に大切に打つ
  • 仕切り直しの時は最初の2つの音の間隔がその後のリズムを決めるので慎重に踏む
  • タコンコントロール→かかとが早く落ちてしまわない様意識して練習する
  • 無音の半拍の意識を常に大切にする
  • メトロノームに合わせて振り付けを踊ってみる

バックアーティストに伝えるためには

  • 体のいろんな部分でコンパス(リズム)を伝える
  • 呼吸、吸うことによって肩が上がったりするのが合図になる
  • バックメンバーを振り返って見たり、一緒に演奏している意識を持つ

印象に残る踊り

  • 純粋な気持ちは伝わる
  • 曲の持っているイメージを本気で感じながら踊っていれば見ている人に伝わる
  • 基本は大切。その上で表現
  • 自己満足で終わらない
  • ライブは舞台上のメンバー全員で作り上げていくもの→コミュニケーション

フラメンコを楽しく続けていけるために、誰かのお役に立てたら嬉しいです。最後まで読んでいただきありがとうございました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました