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2023年12月1日(金)〜2023年12月10日(日)ロシオモリーナが日本に来てくれました。スペインでもホールでしか見られないような大物アーティストのロシオが日本のタブラオで見る事ができるとは!こんな機会は二度とないと思い、はるばる東京まで行ってきました。
2020年の3月「カイダ・デル・シエロ」の公演を知り、意気込んで良い席を取り、楽しみにしていたところにパンデミック。そして公演は中止。それから3年。まさか日本でのタブラオ鑑賞の機会をいただけるとは!YouTubeやInstagramで何度も見たロシオを間近で見る事ができるなんて本当に光栄です。
【出演者】
- バイレ:Rocio Molina(ロシオ・モリーナ)
- ギター:Yerai Cortes(ジェライ・コルテス)
- カンテ:Pepe de Pura(ぺぺ・デ・プーラ)
- パルマ・バイレ:Jose Manuel”El Oruco”(エル・オルーコ)
【プログラム】
あらかじめのプログラムは公表されていませんでした。完全に即興なのか大筋は決まっていて流れで曲を決めるのかは分かりません。
オープニングはギターのジェライとロシオが二人。ロシオがジェライの髪をもてあそびながら踊り始める。ジェライもロシオをあしらいながら余裕の演奏。曲はシギリージャだったりソレアだったり色々なフレーズが混ざり合ったようなロシオ独特の感じ。しなやかな動きだけど芯がしっかりしていないとできないような踊り。踊り終わってからも歩きながら小刻みに足を打っている。。。どれだけスタミナがあるんでしょう。「まだ踊るの?」やっぱりまだ終わりませんでした。もう1曲踊るらしい。止まらないリズムにずっと見入ってしまいました。これを間近で見られるなんてとても贅沢な時間でした。
ぺぺ・デプーラの重たく苦しそうに絞り出すような声は歳を重ねてきた分、こちらの胸も締め付けられるような感じでしっとりと歌い上げていました。
ロシオのモダンなバイレに対してオルーコのソレアポルブレはザ・フラメンコ。どっしりした体なのにさすがです。ジェライのムードあるギターの旋律に合わせて繊細に刻む足に見入ってしまいました。歳の割には意外と体力もあるし足もよく動くなあと感心しました。上からですいません。ロシオ一人しか踊らないと思っていたので得した気分でした。踊り終わるとステージの端に行き、長い棒を手に取りロシオに渡す。棒を受け取ったロシオが客席に向かってぐるりと回しfacebookで紹介していた高速タンゴが始まりました。オルーコのパルマとの掛け合いが素晴らしい。踊るだけ踊って急にさっといなくなってしまいました。
ジェライのソロは陽気な超高速ブレリア。これまたオルーコのパルマが素晴らしかった。とても勉強になります。ジェライは演奏中でも客席を見回したりあんなに速い曲をなんなく弾いていました。あの若者末恐ろしいな。。。演奏中に消えていった入り口の隙間からアバニコをパタパタ振るロシオをジェライが見て「はいはい、次はグアヒーラね。」という顔をしたので衣装も曲もその日の気分で決めてるんだなと感じました。そしてなんと両手にアバニコを持って布きれがジャラジャラついた衣装でロシオ登場。曲はグアヒーラ。両手にアバニコを持って開いたり閉じたり。斬新なグアヒーラにまたびっくりです。ちょっとキャバレーチックな一面もあり、なかなか面白いものを見せてもらいました。舞台狭しと走り回ってぺぺやオルーコにアバニコを渡して踊り狂う。こんなの彼女じゃないとできないなと思うような構成。宇宙人と言われてしまうわけです。どうしたらこんな風になるのか摩訶不思議な舞台でした。でもちゃんとグアヒーラのまま終わりました。
前日の公演を見た知り合いは「昨日とは全く違う。完全なるインプロ。」と言っていました。ロシオの感覚で好きなように踊る。それに余裕で対応できる若きギターのジェライも素晴らしい。天才たちのリズム遊びに翻弄された1時間でした。まさにオーレです。見られてよかった!毎日違うから毎日来ても楽しかったかもしれませんね。
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