いつもと違う自分
先生がいつも言っていることは「スタジオに来たらあなた達はもう違う人間なの。踊り子なの。恥ずかしいとか言ってちゃダメ。」
習い始めて数年は自分に自信がないので鏡の自分を見ていませんでした。
性格も控えめなので立ち姿は常に肩が丸く内に入り、手を前に組んで話を聞いたりするタイプ。
ある日先生に「鏡に映る自分の目を見つめられる?」と聞かれました。
言われた後も長い間見ることが出来ませんでした。
その時は特に自分が観客にみられることを意識していなかったので、表現についてあまり深く考える事はありませんでした。
「舞台に立ったらたとえできなくても虚勢を張るんだよ。眼力で威嚇するくらいにね。自信なさそうに踊ったら観客に伝わる。スペイン人なんてレッスンの時でさえ、自信満々にのけぞって先生の話聞いてるけどね。日本人は謙虚な人種だからなかなか難しいけど、ここに来たら自分を捨てて。」その意味が分かったのは他の教室のライブを見に行った時でした。
発表会を見てみる
とてもきれいに踊っているけど、何も感じない。
途中で眠たくなったりしました。なんだろう?そっか振付をなぞっているだけで目線の先に焦点がない。
踊りに感情とかストーリーを感じない。
リズムだけをただ刻んでいるだけからエネルギーが伝わらないのか?
それは自分にも言える事でした。でもどうやって直す?
娘は堂々と踊るタイプ。
そんな娘にどうやったらそんなに堂々と踊れる?と相談したら、返ってきた答えが「根拠のない自信。自分で自分に催眠かけちゃう。」
ある意味思い込みとは強力な武器かもしれません。
やってみた
フラメンコを踊る時は「非日常な世界に身を置く」と意識して違う自分に切り替えることにしました。
頭から足のつま先まで「踊り子」です。
意識していることは下記です。
- レッスン中の意識・
・自分を捨てる・練習の時から表情を付ける
・自分でストーリーを作って気持ちを表現する
・指先と目線の先に意味を持たせる
・振付と振り付けの合間を踊る
・ひと振りを軽く動かさない・はずまない
・とにかくいろんな動画を見て研究する
こんな感じで意識するようになってから友達には「のびのび大きく踊るようになったね」「踊りが変わった気がする」と言われるようになりました。
自分ではわからないけどちょっとずつ前進しているらしい。。。
空気感(アイレ)ってすごく大切なんだなって思います。
生まれた時からリズムの中で育ったセビリアの人たちのようにはなれないけど、わたしはわたしなりの何かを感じてもらえる表現をいつもしていたいです。
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